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PFIにすれば安くなるという根拠は?【06.09.16】
説明なしに「削減期待値」20%あると言うだけ
9月議会一般質問で、不燃物リサイクルセンター・埋立て処分地の2期計画をPFIという手法で民間企業・ゼネコンにすべて任せることの是非を議論しました。
いま市が通常おこなう工事発注と比べて、PFIに参入する業者に一括委託(設計から建設、その後の運転など20年近く管理を行なう)すれば、14億円も全体経費が安くなるという、コンサルタントからの報告書をもとに、市はPFIにゴーサインを出しました。
途中経過は省略して、市の最終的な負担は、「従来方式」では114億5070万円、「PFI方式」だと100億6916万円、となるのだそうです。
そこで、この報告書の一番肝心な点、なぜ安くなるのかという計算式を見てみると、何といきなり、「削減期待値を20%に設定する」としか書いてありません。建設費は従来手法では51億円、PFIだと40億8千万円という根拠は、単に20%を引いただけなのでした。
なにも論証なしに、「民間は公共より2割安い」と言うだけでは、まったく説得力はありません。私は「市庁舎は従来手法で13億も安くなったではないか。こんな立派な実例があるのに、民間にすれば安くなるなどと単純に言うのは間違いだ」と質問しましたが、市側答弁は「よそのPFIでの例で、20%ほどになっている」と言うだけでした。
中学校改築PFIの検討では、「5%しか安くならない」
一方、同じ時期に検討された「神戸中・平田野中移転改築事業」のPFI検討報告では、これも論証抜きに削減期待値を5%に設定しました。そして、PFI方式にしてもメリットは無いとして、従来手法で行こうという結論にしたのです。
この20%と5%の違いは、一体何か?この削減期待値の設定の違いが、結果を正反対のものにしたのに、そのことに説明が全くありません。
要するに、学校建設はPFIにしたくないので5%にした、リサイクルセンターは民間にさせたいので20%にした、ということなのだとしか考えられません。教育委員会の意向を受けたコンサルタントは、PFIは得ではないという報告書、環境部の意向を受けたコンサルタントは、PFIの方が得だという報告書を出したということなのです。
こんないい加減な数字のマジックで、大事な鈴鹿市のゴミ政策が左右されるようなことは、許されません。「官から民へ」という一時の流行に安易に乗って、自分の頭で考えもせずに大事業に突っ込むことは危険です。
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