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「同和」に偏った「人権意識調査」報告書【08.06.19】

こんな特異なものは「公文書」と認められない

「人権に関する市民意識調査」報告書6月11日の市議会本会議一般質問で、私は本年2月に出された「人権に関する市民意識調査」報告書を取り上げました。
この報告書は、2年前に市が市民にアンケート方式で調査したものを、なぜか丸2年もかかって集計分析したものです。このアンケートの時点で私は、「22問の設問中11問が同和問題に関するもの」という異常さで、「こんな調査は止めろ」と追及した経緯があります。
今回の報告書の内容は、予想どおり「差別は依然として深刻である」という結論ありきになっています。
質問じたいが誘導尋問のようなものですが、そんな中でも例えば、7つの人権問題についての関心を問う設問に対して、「児童虐待」がいちばん多く、「部落差別」はいちばん低くなりました。しかし分析では、「このことは今日の部落差別が潜在化、陰湿化の方向に変化しており、かつてのように先鋭かつ顕著に現れていない状況を反映しているものと思われる」とねじ曲げているのです。
一事が万事、数字がどうあろうと「差別がある」という結論に持っていくのですから、調査の意味がありません。

奈良や大阪などの「同和利権」事件への批判を敵視

サトイモの葉の水玉アンケートの最後に、自由に意見を記入するところがありますが、これも分析した者には気に入らない結果でした。私などは、しごく当然の声が出されていると感じましたが、分析はこの自由意見を勝手に「前向きにとらえようとしている人たち」178人、「後ろ向きにとらえようとする人たち」201人、と分類します。
そして「後ろ向き」の意見が多かったことを、「今回は調査がマスコミ等で部落解放運動内をはじめとした一部の人々による不祥事が連日報道されていた時期とも重なったことに影響を受け、元々あった偏見や差別意識が更に助長され強化されたととれる意見も多くあり、これらの本音を啓発の不十分さを示すものとして、従来にも増して謙虚に受け止めねばならないだろう」と、敵対心まで燃やしているのです。牛肉偽装や出勤しない公務員などの事件が「同和」をタテに見逃されてきたことなどが噴き出し、「同和タブー」で黙っていたマスコミがいっせいに事実を報道し出したことに、逆に咬みついているのです。まったく、こんな「差別病」にはつける薬もありません。

きっぱりと決別できない弱腰の行政

五百羅漢もあきれているこのように事実をねじ曲げて、いつまでも差別が無くならないという、出口のない袋小路の理論をふりかざす、異常としか言いようのない「報告書」は、私は市の公文書としては絶対に認められない、廃棄せよと求めました。しかし市長などの執行部は、「今後の参考にする資料」だと言うのみで、撤回の姿勢は示しませんでした。
質問後、何人かの議員から「ひどいもんやなあ」「あんな文書があったのか」「あんたの方が正しい、市はまちがっとる」などの声が寄せられました。傍聴の方からも「よくぞ言ってくれました」の声があり、論戦としては勝負あったと、自分では思っています。
問題は、論理的にも実態的にもまったく正当性を言えないくせに、啓発や教育をきっぱり改められない当局の弱腰です。こんなアホな文書を有難がっていては、「人権行政」も「人権教育」もまともに出来るはずがありません。反省せよ!

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