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ズサンで無責任だった生活保護行政【09.04.03】
外部委員会の調査報告書できびしい指摘
3月25日に出された「鈴鹿市生活保護調査委員会」の報告書は、これまで鈴鹿市が行なってきた生活保護行政の問題点を洗い出し、検証し、そして再生のための提言を行なっています。
昨年1月に明るみに出た「介護タクシー」の不正請求に端を発し、その後逮捕され有罪となった越山・下辺が鈴鹿市の生活保護を食い物にして、莫大な金額の保護費を不法に受け取っていたことが次々と明らかになってきました。
「越山グループ」と呼ばれる40人33世帯が2003年から2007年に受け取っていた保護費の総額は3億円、うち通院移送費(タクシー代)だけで約1億円という、驚くべき金額になります。
報告書では、越山らの詐欺の手口とともに、鈴鹿市生活支援課がこの詐欺行為を見逃した、あるいは黙認したことについて、「ズサンで無責任」な事務処理の仕方が日常化していて、そこを越山らにつけ込まれたとしています。
くわしい内容は、鈴鹿市のホームページに、報告書の全文が掲載されていますので、そちらをご覧下さい。
鈴鹿市はどうするのか、問題はこれからだ。
報告書は、つけ込まれた側の鈴鹿市の問題として、「法令・通知に示された手続きを踏むことなく、通院移送費を支給していた」「必要な決裁を仰ぐことなく、担当者の判断で支給していた」「生活保護費を本人以外の者に支払うなど、現金の取り扱いに問題があった」などと列挙、呆れるほどのズサンさをきびしく指摘しています。
そして鈴鹿市が改めるべき点として、「法令遵守の相互確認」「決裁の徹底」「現金取り扱いの見直し」「ケースワーカーの増員と質の向上」「不正事案に対する組織的対応」などを提言しています。
しかし、いちばん大事なことは「組織風土の改革」です。報告書の最後に「越山は詐欺のプロだが、鈴鹿市も福祉のプロではないか。なぜ誰一人として止めようとしなかったのかという議論が、市議会であったそうである」と、12月議会での私の質問を紹介しています。
問題は、この報告と提言を受けて、鈴鹿市がどのように職員の意識改革をしていくのかです。「組織風土」とまで言われた役所の体質は、一片の通知や一回の訓示程度では変わりません。日々の仕事の中に、市民のために働く公務員という自覚をいかに持たせていくのか、そこが問われています。
私も積極的な提言を行なっていきたいと思います。
当面は、事件の「責任」の取り方、損害となった金をどうするのかなど、痛みを伴う問題ですが、これをきちんと処理することが求められます。
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