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市民サービスの「受益者負担」とは?【13.12.15】
手数料値上げのための「原価計算」を見る
12月議会に「手数料条例の一部改正」という議案が出ました。内容は、住民票や印鑑証明などの発行手数料を、1件200円から300円に引き上げる、などです。その説明にそれぞれ「サービス利用原価計算」をしたとあるので、財政課で「原価計算書」を見せてもらいました。
各サービスの原価は、管理運営費(システムの設置費用と稼動費用、いわば物的コスト)に、職員の人件費を足したものになっています。しかしこの表で見ると、物的コストよりも人件費がずっと高いことが分かります。人件費を「コスト」にムリに入れなければ、どの証明も原価は200円以内に収まり、値上げの必要はないのです。
【各証明書発行の1件当りの「原価」】 (単位・円)
証明の種類 物的コスト 人件費 合計
住民票 180 378 558
印鑑証明 65 378 443
諸証明 200 441 641
税務証明 116 495 611
(人件費は、1件当り処理時間を3〜5分として計算)
公務員の人件費は「コスト」ではない
そもそも公務員の人件費は、住民の税金でまかなわれています。これを住民から「受益者負担」として回収することは、税の「二重取り」になります。また、この考え方でいくと、学校給食費(今は材料費のみ)は2倍以上になります。Cバスも100円ではとても乗れません。市民相談も何千円払わないと受けられません。
憲法15条に「公務員は全体の奉仕者」であると明記されています。国民・住民のために仕事をする、その費用は国民が税金で払っているのです。国民・住民は行政サービスの「受益者」ではなく、行政サービスを受ける「権利」があるのです。ここを間違えると、福祉も教育も医療も崩壊してしまいます。
以上、100円の手数料値上げの問題から、市民サービスとは何か?を考えてみました。
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